君はガラスの靴を置いていく

└友達と境界線





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明日香の家はここから6駅離れた場所にある。
一軒家ではなくアパートで、確か母親と二人暮らしだったと思う。


電車に揺られながら、行った事にしてこのまま帰ろうかと思ったけどすぐバレそうだしな……。

それに長居するつもりなんてないから、元気そうだったらすぐ帰るし。




-----------------ピンポーン。


俺は明日香のアパートに着いてインターホンを押した。


このアパートには顔が見える液晶機能は付いてなく、ガチャガチャっと不用心にドアが開く。



『……………よう』


半分だけ開いたドアから明日香の姿が見えた。格好は意外にも制服で、化粧もちゃんとしている。


-------------ほら、全然元気じゃん。

むしろ学校にも行こうとしてた感じ?


すると、俺の顔を見た明日香の表情がみるみる変わり目から大粒の涙が流れた。



『…………み、みやぁっ』


明日香は玄関を飛び出し裸足で俺に抱きついた。


ヒクヒクと泣く姿はまるで子供で、俺は深いため息をつく。



『分かったよ、分かったらとりあえず落ち着け』


本当はこんな展開死ぬほど嫌だけど、あいつらに言われた以上放って帰れないし。




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