賢者と僕

昨日は嫌な気分をした、あいつは勉強できない。けど、馬鹿なりに努力はしてたと思う俺よりは少なくとも………。
午前の授業か終わり、いつものベンチに行こうか悩んだ。学内を歩いていると、同じ学年の女にあった。


「よっ!秀司クン久しぶり、最近みかけなかったよ。」
元気よく言う。
「そう、大学に毎週通ってるけど。」
「そうなんだ、最近午後の授業でてないよね、私と同じ授業のときいなかったもん。」
「あー体調がわるくて::・」
(この人の名前なんだっけ??)
「今度ノートみせてあげようか、」
「大丈夫いらない。」
「そんなこと言わないでさ今から昼だし、一緒に食事しよ!その授業のこと教えてあげるからさ。」
「いいよ本当に。」
「いいから♪いいから♪」

名前も知らない女と食事をした。
「あー緊張するな。」
女が言う。
「何が?」
「別に何でもないよ。」
と、女は笑いながら言う。
「あのさ、えー青木 純て奴知ってるかい?」
俺は聞いてみた。
「誰それよ、友達?私は知らないわよ。その人。」
「頭がぼさぼさでメガネかけてて、リュックサックいつも背負っている奴。初等教育学科の。」
「うーんやっぱ知らないわ。有名人なの??」
「有名人つうか、あー変人て呼ばれてる奴。」
女の顔色がかわる。
「私やっぱ知ってるかも、話で聞いたことしかないけど酷いことした人よね、たしか変人って?」
「何をしたのさその変人は?」
「一年以上前かな、若くて人気な先生が産休で休んでて、それでお子さんが生まれたわけなのよ。子供できたわけだし自慢したいわけじゃない。それで、お子さんを学科の先生方と生徒に挨拶しにこの大学にきたわけよ。えーそれでね、お子さん抱いて生徒達に挨拶してる時、やっぱみんなお子さんを抱いてみたいわけじゃない。だからその先生に頼んでお子さんをみんなで抱かして貰ったわけ、そこに変人もいたらしいのよ。」
「それで?」
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