私こそ光る☆君~グランプリ編~
受難
『はぁ~、どうしよう……』
衝撃の事実を知らされた翌日。
テレビ局への移動のワゴン車の中、思い出されるのは作詞の期限のことばかり。
こういう移動の時間をうまく使わなければ、その道素人の私に期限内に作詞なんてできるわけがない。
そうは思うものの、肝心の詞が全く思いつかないのだ。
『はぁ~……』
また深いため息をついた。
何もできないまま、時間だけは過ぎていく。
そのことに焦りを感じ、何とかしようと思えば思うほど不甲斐無い自分に気づき、自己嫌悪に陥っていく。
そしてまたそのことに悩み、時間をすり減らしていく。
完全なる、悪循環だ。