人間は争うのが好き。何かキッカケがあれば、人間は心の内に秘めた狂気を外へ解き放ち、同じ人間の命を躊躇いもなく簡単に奪ったりする。人間に限らず、小さな生物でさえ命を奪うことがある。持ち物を盗んだりもする。

 ――そんな人間と、同じ姿形をしている死神。

 死神は元は人間なのだから、人間と同じように心の内に狂気を秘めているのだろう。死神が人間と同じく狂気を外へ解き放った時、“それ”は人間の時より残酷になるのだろう。





 第5話 月夜の因縁





「ふん。銃なんぞ物騒なものを武器にしているわりに、テメェ自身は弱いんだなァ?使いこなせていないのか?」

「クソッ!まだ……負けねぇ!負けるわけには……っ!!」


 腹部を鎖刀で刺されている健吾と、そんな健吾を微笑みながら見下ろす竜司さん。
 どうして、こんなことになってしまったのだろう?

 さかのぼること――30分前。


●●●


 ――茜と、茜の両親が死に、エターニティに送られてからすでに数日が経過していた。

 茜を失った哀しみが大きい僕と健吾は、始まったばかりの夏休みを満喫出来るわけもなく、ほとんど会話のないここ数日。
 久遠は人間を殺すのに慣れているからであろう、茜の出来事の前と同じように、明るく僕と健吾に話しかけてくる。
 そのたびに、健吾は久遠に「うるせぇ!」や、「この場の空気を読め」と怒っている。……健吾のその怒るという効果は、あまり久遠には無いみたいだけれど。

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