僕は久遠のことが知りたくて時の城に行きたいのだけれど、時の城の居場所は天国にあって易々と行けない……などと説明をして、今から鬼死神様に相談しに行くと伝えた。

 すると幸恵さんは「残念ねぇ。鬼死神様なら、さっき出掛けたわ」と言い、煙草を吸い出す。竜司は舌打ちをし、僕は唖然。

 ここまで来て、まさか鬼死神様が出掛けているなんて……。


「にゃー」


 ん?……猫?

 僕は猫の鳴き声がする方を見ると、幸恵さんの足にすりすりと頬擦りをする黒猫がいた。

 艶々とした黒い毛並み。きらりと光る金色の目。綺麗な黒猫だと僕は思う。


「可愛い……。でも、エターニティにも猫っているんですね」


 僕は2人の顔を見る。すると、幸恵さんはふふっと笑い、足元にいた黒猫を抱き抱えて顎を撫でる。黒猫は気持ちよさそうに目を細めて、喉をゴロゴロと鳴らした。


「坊や……まさかあなた、気が付かなかったの?」


 竜司は溜め息を吐き、自分の髪をくしゃと掻きむしると「やっぱりヘナチョコはヘナチョコだったな」と、言った。

 僕は意味が分からず、2人の顔を交互に見る。


「元の姿に戻ってちょうだい」


 幸恵さんがそう言うと、黒猫は「にゃー」と鳴く。すると、ボンッと小さな白い煙が黒猫を包み込んで――。


「あなた、鈍感、なのね」


 煙が薄くなって、声と共に姿を現したのは――僕の顔を見上げる鈴村亜希ちゃんだった。


「亜希……ちゃん?」


 猫が亜希ちゃん?それとも亜希ちゃんが猫?

 目の前で起こったことの意味が分からず、頭の中を疑問がぐるぐると渦巻いていると、健吾が目を覚まして飛び起きた。


「あ、ああああああ亜希ちゃんだとぉっ?!!」

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