「あ、あの……わ、私はここから離れられないし、ミ……ミーヤがいるし……!」

「……死神にはならないと、そう言いたいの?」


 結果的に、そうなってしまうんだろうな。

 ミーヤがいる以上、私はここからは離れられない。ミーヤを1匹、ここに残しておくわけにはいかない。

 私はコクンッと頷く。


「死神の存在を知っておきながら、死神になるのを拒否するなんて……殺しちゃうよ?」


 ――ゾクッ。

 今、にっこりと笑っていたけれど、目が本気だった。たとえ私が5歳でもそれくらいは分かる。どうしてこの少年は、私に死神になれと言うの?別に私じゃなくても、いいんじゃないの?


「私を……殺すの?」


 お母さんは私を産んですぐ死んじゃった。今、死んだら、もしかしたらお母さんに会えるかもしれない。


「キミが死神にならないならね……」


 別にいいと思う。私は死んでも、別にいいと思う。おじさんやおばさんに商売として生かされるくらいなら、そっちの方が……。誰も泣かないし、誰も怒らない。きっぱりいって、そっちの方が、私はいい。


「……て」

「え?」

「私を殺して」


 少年は驚いた顔をして私を見つめる。

 5歳の少女が「殺して」だなんて言うと思っていなかったんだろう。私自身、いとも簡単にその言葉が出てきたことに驚いた。それほどまでに、商売として生かされることが嫌だったんだ。

この作品のキーワード
死神少年  死神  少年  恋愛  グロテスク  仲間  ダーク  ファンタジー  ホラー 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。