得ることより失うことの方が多いんだと、昔に読んだ本に書いていたような気がする。

 それなら、これ以上失ってしまわぬよう、大切なモノを護れはしないのだろうか。





 第4話 魂の咆哮





 空高く昇った太陽の光りが、僕の部屋の内を照らす。差し込む日光で目を開けた僕は、枕元に置きっぱなしにしている漆黒の約束の存在に気が付いた。

 いくら中身を読んでも【死神少年、高山悠夜、高崎健吾の3人に依頼を命ずる。 次の心臓を喰らうまでに、3人の内の誰かは、次の人間の息の根をとめよ。・佐藤梨子、・山本鈴、・島田耕四郎、・西城茜】という残酷な文字の羅列……。

 ベッドの上に寝転んだまま、僕はその漆黒の約束をぼーっと眺める。……夢じゃなかった。昨日のエターニティの出来事は、夢なんかじゃなかった。

 僕らは茜を、絶対に殺さないといけないのだろうか。それとも僕ら3人が消滅する運命にあるのだろうか。僕は……茜のためなら、死んでもいいとは思う。けれど、それは同時に健吾と久遠も消滅してしまうことになる。僕は、どうすりゃいいの?

 ふと、頭の中に過ぎるのは、今まで起こった数え切れないほどの、たくさんの出来事。たくさんの思い出。そして、僕が茜と知り合って仲良くなった時のこと。――僕が茜と知り合って仲良くなったのは、僕が……自殺をしようとしていた時だった。


●●●


 空が青い朝。僕は間違いなく学校から飛び降りようとしていた。風が身体中に当たり、夏の暑さを吹き飛ばしている感覚で、とても……気持ちがよかった。


「朝からこんな所に来て何をしているの?」


  不意に真後ろから聞こえた、茜の声。振り返ると、少し怒った顔のような茜が立っていた。――僕の胸が、大きく“ドキッ”って鳴ったようが気がした。

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