6時57分のあの電車で

共同学校って何?





頭に、子供の笑い声と机を蹴る音が聞こえる。




〈お前、シガクに行ってるくせに、こんなのも解けねーのかよ?〉


〈何この点数!シガクのくせに!〉


〈へー、そうなんだ。やっぱシガクは、ウチらとちゃうんやな。〉


〈シガクの子だから、そんな目なんだ?〉








何度も味わった、シガクシガクと繰り返される悔しさ。




オトナのひとはね、私のことシガクに行ってるお金持ちの子としかみてくれないの。


お友達のね、やっくんもさっちゃんもりさちゃんも、みんな、みーんないなくなっちゃう。

もう話しかけないでって言われたの。





私がシガクに行ってるせい?




心に思うだけにしてた、幼稚園時代。



そのまま過ごした、小学校時代に通ってた塾。






同じ思いのまま。



悔しい思いのまま。





涙をのみながら。







< 29 / 68 >

この作品をシェア

pagetop