本当の恋に 気づいた日
~拘束~佳奈
次の日、学校に行ったら優菜が慌てて聞いてきた。


「昨日、あたしのメール見たよね?大丈夫だった?部長や佐藤君に、美歩ちゃんもしかして何かしちゃった?!」


あまりにも心配そうだったので優菜には全部話した。


「……そっか…。けどまぁ、部長の家に押しかけなくてよかったじゃん。それに、美歩ちゃん、今まで佳奈に好き勝手言ってたから、佳奈がキレるのも当然だよ。しょうがないって」



「優菜は優しいなぁ……」


「だって、佳奈はあたしの親友じゃん!」


「優菜ぁ……」


「佳奈ぁ……」


がばっ…とあたし達は抱き合った。





その日の昼休み。


「おーい、湯谷。呼んでるよ」


とクラスメイトの近藤が優菜に声をかけた。


優菜が


「誰が?」


と聞いたら近藤はこう言った。


「基本の竹中って人だけど…すげぇ怖そうな人。でかくて威圧感あるぞ」


「竹中?…知らないなぁ…佳奈知ってる?」


竹中?


知らない……誰だろう…。


でかくて威圧感ある人って……。


「あたしも知らない……」


「…とにかく行ってみるね…」


この時、あたしは止めればよかったんだ。


優菜が呼び出されたのはあたしのせいなのに……っ。


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