本当の恋に 気づいた日
~救助~風雅

斉藤佳奈が行ってからの30分間がとても長く感じた。

途中でみんな、

「もう30分経ってますよね?斉藤と湯谷を助けに行きましょう!」(近藤)

とか

「まだ、時間来てないのか…?……もう行った方が良くね?」(俺)
                      
とか

「そろそろ、じゃないの?」(兄貴)

とか言ってすごくそわそわしていた。


斉藤佳奈がどんな目に遭わされてるか心配で、気が気じゃない。

湯谷というアイツの親友はおそらく人質として利用されてるだけだからそこまで酷いことはされないだろうけど、斉藤美歩の目的である斉藤佳奈は、危険なんだ…っ!!


助けに行かないと……っ。


「……よし、30分経った。みんな行こう!」


だからそう兄貴が言ったのを聞いて、俺はただ一直線に体育倉庫に向かって走り出した。近藤と兄貴も負けずと後を走ってきたが。



…体育倉庫の中からはボカッ、ドカッ、などという何かを殴ったりぶつけたりする音が聞こえてきた。


扉を乱暴に開け、中の様子を確認する。


端の方には猿ぐつわをかまされ手足を拘束されている女――多分湯谷と言う女だろう――がいたが、パッと見外傷はなさそうだ。


反対側の壁の方には俺を見て驚いた顔で立ちすくんでいる斉藤美歩がいた。


そして俺の目の前には4人の男に囲まれてその中の1人に蹴られガッという音とともに空中に浮いた傷だらけの斉藤佳奈の体………が視界に入った瞬間、俺の頭の中の理性が、ログアウトした。


………お前ら俺の好きなヤツに何しやがる。


もう周りも何も見えず、男達に襲いかかった。


すぐに入ってきた近藤も、獣みたいな目をして一緒になって男達に攻撃する。


「てめぇら死ねぇええぇえーっ!!」


近藤が1人を殴り気絶させた。


「ホントにそう思う。死んだ方がいいよ」


後から追いついてきたらしい兄貴も、冷静に男に蹴りを入れる。


「ああ、そうだなぁ。お前ら、ただのゴミだ」


みんな、許せない。斉藤佳奈に危害を加えた全てのモノが……。
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