赤い愉楽
なぞなぞ
揺れるキャンドルの火。


赤ワイン。


ほんのりと染まる怜奈の頬。


眼前には相変わらず
微笑を崩さない奥田の顔。


「楽しい」


真奈が小さな声で囁く。


「何が?」


奥田が怜奈の眼を見つめ尋ねる。


「今のこの時間が。

こんな気持ちは久しぶり」



ワインに口をつける怜奈。


奥田もまたワインを飲み干す。
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