幸せの条件
表と裏
 冷房のきいた病院から1歩外に出た私は、一気に押し寄せる残暑の厳しさにクラッときた。

久し振りに風邪をひいた。

今日は、仕事が最後の日だったので挨拶回りをするため出社しなければならなかった。

「さくらさ~ん!」

夏子が私の側にくる。

「なんで話してくれなかったんだよ!辞めるなんて聞いてない!」

「・・・契約が切れたのよ。更新の話もあったけどやっぱり私は長く1ヵ所にいられるタイプじゃないみたい。渡り鳥みたいに移動するのが合うのよ。」

「さくらさんがいなくなっても今まで通りよね?私たち。」

「・・・うん。」

夏子がホッとしたような顔を見せた。

私は、夕方に会社を後にした。

プップーーー。

突然のクラクションにビクッとなる。

私は、ゆっくり振り返った。
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