幸せの条件
堕ちても幸せを願う
 姉に付き添われて役所へ出掛ける。

スムーズに進み、離婚届は受理された。

これですべてが終わった。

姉の提案でカフェに寄り道する。

「・・・お姉ちゃん、ありがとう。」

私は、プリンパフェを崩しながら姉に礼を言った。

「いいのよ、別に。昔からさくらの尻拭いは私の役目なんだから。」

姉は、ゆっくりブラックコーヒーを飲む。

「でも、驚いた。さくらは周りからちやほやされて愛されるのが当たり前だと思ってたから。結婚してもそれは変わらない。華やかな人生を歩んでいくと信じてた。なのに・・・。」

「まさかのDV?いい気味って思ったの?自業自得って思ったの?」

「・・・ちょっとね。天罰だって。」

私は、鼻で笑う。

「お姉ちゃん、私のこと嫌いでしょ?」

姉は、首を横に振る。

「嘘!嫌いに決まってる!!」

「そんなことはない!」

姉がテーブルを拳で叩く。

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