【完】白い花束~あなたに魅せられて〜

マネージャー





4月になり私は高校生活最後の年、3年生へと進級した。



それと同時に、榎本海斗がマネージャーになった。



私達3人がスタジオでレッスンをしていた時、手を叩いて入ってきたガミさん。



「ちょっと3人ともマネージャー紹介するから事務所来て」



そう言ったガミさんに続いてスタジオを後にした。





「噂通り嫌な奴かな?」


「えー?噂はあくまで噂でしょぉ〜でもイケメンなら許せるかもぉ〜」



廊下を歩く珠璃と亜美奈が話すのを聞いていて思う。



亜美奈に、ガミさんと同じニオイを感じると。



「大丈夫よ。礼儀正しい子だから」



…ガミさんの“大丈夫”に些か不安を感じるのは私だけなのだろうか?



そう言いながら事務所のドアを開けたガミさんに続いて中に入る。



「知ってるとは思うけど、一応榎本君挨拶して」



ガミさんに促されてデスクから立ち上がった彼。



「今日からマネージャーになります榎本です。よろしくお願いします」



深々と頭を下げた目の前の男はとても礼儀正しかった。


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