不器用な僕等の唄を




「お前なぁ…。」

その低音の声に、私は唇を噛んだ。

いつも、そう。

青が言いたいのは分かる。
音宮先輩が言ったのと同じこと。

自己満足で、人に優しくするのは意味がない。

「…分かってる。」

「え?」

「分かってる!青が嫌なら近付かなきゃいいでしょ!」

噛み合わない話のうえ、私が勝手に主語なしの会話を始めた所為でこんがらがる。

「意味わかんねぇし。落ち着…。」

「もう知らない!」

どっちがよ。


私はひとり突っ込みを自分にいれながら、その場を立ち去る。



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