濡れた体温ごと奪って


「私…反対なんてしてないよ」


「……紗耶…」


「お母さん。幸せになってね。私の事なら心配ないから。もう子供じゃないんだし」




お母さんは…彼氏との道を選んだんだね…。


私の事は…もう…過去の事でしか…ないんだね…。


お母さん…私…お母さんの彼氏の事…お父さんなんて…呼べない。


絶対に呼ばない。


だけど…お母さんの幸せは……壊したくない…。


お母さん…悩んだ末にプロポーズを受ける事に…したんだよね…?


私の事を思って…一瞬だけでも…悩んでくれたんだよね…?


そう…思いたい…。



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