濡れた体温ごと奪って


職業なんか聞いてどうするんだって思う俺は間違ってるのか。


乙女心のわからない冷たい男とよく言われるが…仕方ねぇだろ。


親父に似たんだから。


実家へ帰る度にお袋に言われる程、似てるらしい…。




「ねぇ…どうして教えてくれないの?まさか…疚しい仕事してるとか…」


「…かもしれないな」


「…ふぅん。いくら聞いてもダメそうね。翔矢は頑固なんだから」




ベッドから起き上がり、服を着ながら口を尖らせる明菜。


休みの日ぐらい仕事の事まで考えたくねぇんだ、悪いな。



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