目が覚めると、アヤの姿はなくなっていた。

「…アヤ?」

きょろきょろとあたりを見回してみるが、部屋の中にはいない。
部屋を出て、リビングに行くと、朝食の準備をしているトランの姿があった。

「あ…おはようございます」

「あら、おはよう。昨日はぐっすり眠れたかしら?」

「はぁ…まぁ……」

きょろきょろとあたりを探していると、トランは少し笑って言った。

「アヤは一度、王宮へ戻ったわ」

「え?」

「アヤを探しているんでしょう?」

トランの言葉に、思わず顔が赤くなる。

「今晩、王宮でどうやら婚約発表パーティをするらしいの」

思わず体が硬直する。

「そこに、ほたるちゃん。あなたには出席してもらうことにしたから」

「へっ!?」

「ちょっとねー…カトレア様、強引な手に出てきたみたいでね。その事を今朝、チカが言いに来たのよ。で、アヤってば怒ってそのまま王宮に行ったってわけ」

あまりにも現実離れしすぎて、スケールが大きすぎて、はぁ、としか答えることができなかった。



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