しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~

淡い恋




「ねぇねぇ、如月さん」


肩を叩かれ振り向く。

そこには、同じクラスの下川さんと女子数人が立っていた。


今は、一週間後に控えているクラスマッチの出場種目を決めている。


私の前の席に向き合う形で座っている日和と、どの種目に出場するかちょうど話し合っていた時だった。

 
「何? どうしたの?」


私が聞くと、彼女達は恥ずかしそうに、モジモジと体をひねらせていた。


私の視界の隅で、日和が眉をひそめる。


「如月さん、仲良いの?」


下川さんから遠慮がちに聞かれ、私は首を傾げた。


「あの、その、佐藤くんと」


彼女が指差す先には、相変わらず机に突っ伏しているレオくんがいた。


「昨日、佐藤くんに話しかけてたからさ。それに、図書室がどうのって……」


ああ……。昨日の、あれか。

あんな一瞬の事を、しっかり見てたんだ。


「あれは、仲が良いっていうか、たまたま私がレオくんの生徒手帳を拾っただけで...」


特別何も……。


そう言おうとしたところで、私の横から日和が言葉をはさんできた。



「悪いけど、私達、協力は出来ないよ」



< 41 / 400 >

この作品をシェア

pagetop