放課後恋愛

「気を悪くさせたみたいで……ごめん。あのさ…、かくまってくれたお礼に、紗智の頼み…何でも聞くよ…。何がいい?」


「見返りが欲しくて、かくまったわけじゃないから。九条君が見つかっても構わないって思ってたし。」


キョトン…としている九条君に、私は言葉を続けた。


「頼みなんてどうでもいいから…、もう自習室に来ないで。ここは、勉強する人のための教室なんだから。」


何も言わずに、動きが止まっている九条君から視線を外すと、私は自習室を出てピシャリと扉を閉めた。



あ〜腹立つ!!


何が“頼み…何でも聞く”だよ、調子良すぎ!


九条君が、どうして女の子たちに人気があるのか理解に苦しむ……。


はぁ…
今日は最悪な日だったな…。



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