強がりも全部受け止めて
２
「２ヶ月前くらいからかな。“仕事が忙しくて時間が取れない”って言われて彼と会う時間が減ったんです」




今までも何度も同じようなことがあったから、信じて疑わなかった。




「徐々に電話やメールでのやり取りも減って。きっと仕事で疲れてるんだろうって」




この頃から、少し心配になってきてた。いつもとは何かが違うって、不安になった。




「彼、1人暮らしだったし、ちゃんと食べてるのかなって、体調は大丈夫かなって心配になって」




不安な気持ちも彼と会えばきっと無くなる。そう思ったの。




「だから、ご飯でも作ってあげたいって思い立って彼の家に行ったんです」




『連絡はしなかったの？』




「したけど、繋がらなかったんです」




留守電にもなっていなかった。



「行って驚かせてやろうって腹いせ程度の気持ちでメールはしなかったの」



まさか私が驚かされるなんて夢にも思わなかったけど。









< 13 / 87 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop