年上の彼氏
悲しいクリスマス

夜、6時30分を過ぎた頃私は家をでた。

鞄には今日買ったプレゼントと、家に帰る途中に買ったチーズケーキ。

2人用の小さなケーキ。

甘いものはダメみたいだから、チーズケーキならいいかなって思って。

・・・もし、ダメだったら1人で食べよう。

ケーキはそのくらいの大きさしかない。



気持ちはとても弾んでいて。

矢崎さん驚いてくれるかな。

なんて、考えながら矢崎さんのアパートの道を歩いていた。

なんだか・・・とても幸せな気持ちだった。



矢崎さんのアパートに着く頃には7時を過ぎていて、夏よりも暗いのに歩いて来ることが出来たのは、イルミネーションがあったから。

小さなお店の前や、普通の家でもこの時期イルミネーションが付いてる。

綺麗だな~。

それぞれの光をみながら歩いてきたから、そんなに疲れもなかった。



駐車場で矢崎さんの車があることに気が付く。

あ、帰ってるんだ。

じゃ、連絡くれてもいいのに・・・。

ちょっと寂しくなる。

会いたいのは私だけか・・・。

アパートを見上げれば、矢崎さんの部屋も電気がついていて、帰ってきていることが分かった。


突然きちゃったから、プレゼントを渡したらそのまま帰ろう。

多分、アパートには入れてくれないから。

・・・前に聞いたら、以前私を驚かせて怖がらせてしまったことを気にしてるみたいで。

思い出したりするといけないからって・・・別に大丈夫なのに・・・。


付き合ってから、この前やっと手を繋いだばかり。

大事にされてるのか。

それとも・・・私に興味が無いのか・・・。

矢崎さんが考えてることが良くわからない。

だけど、遥が言ってたような、はけ口があるとは思いたくない。


連絡しないで突然来たのも・・・どこかで確かめたかったのかもしれない・・・矢崎さんには私だけだって・・・。

不安な気持ちを・・・安心させたいだけ。

これって矢崎さんを信用してないって事になるのかな。





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