はうす~Love HOUSE Life~
HOUSE 4.
学校の帰り道にある『スーパーたけだ』に寄って、夜ご飯の買い物をしてから家に帰った。
橋本さん(←レジのおばちゃん)と友達になっちゃった…。
鍵を開けて中に入った。
「ただいまー…」
って誰もいないよね…。
あれ、なんか視界がおかしい…。
リビングへと続く廊下が、私にはぼやけて見えた。
もしかして、私…泣いてる?
なんで、なんで……
「南がいないだけで、泣いちゃうの…?」
「俺がなんだって?」
そんな声がした方を見ると、南が自分の部屋から出てきたところだった。
っっへ?み、み、南?!
「な、なんでいるの?!仕事は?!」
「あぁ…、今頃家で千景が泣いてると思って早く終わらせてきた。」
当たりだよ、南…。
泣いちゃったよ、私。
「泣かせてごめんな?」
そう言って、南は私の頭を撫でた。
すると、安心したのか私はさらに涙を流してしまった。
「おっおい、なんで泣くんだよ?」
南はすごく慌てている。
ごめんね。でも、止まらないんだもん。
涙を止めることができず、嗚咽を繰り返している私を、
南は長い腕で抱きしめてくれた。
「?!!」
私はびっくりして南の腕の中から南の顔を見上げた。
「ったく、しょーがねーな。」
そう言った南は、耳まで真っ赤にしていた。
こんなフツーの私を抱きしめるだけでも照れるんだね。
かわいいな。
そう思うと、私は無意識に南の頭を撫でていた。
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