no drug no future
3章 快楽との遭遇
その日はよく晴れた初夏。

まだ6月なのにアスファルトに刺さる陽光は攻撃的。

バンドの撮影会が新宿であり、皆で集合していた。

この撮影を終えたら夜から横浜にあるクラブにいく予定だった。

やることを終えてぼーっとしている私に、こっそりとRowくんが言った。

「今日、喰う(ドラックを)からなるべく胃の中を空っぽにしろよ?」

私は鵜呑みにして撮影が終りみんなで行ったサイゼでも、サラダを少し口にしただけ。

朝から撮影なのに、あまり食べないでいるのが私、癒真くん、Rowくん。

あからさまに、この二人がクラブに行くのだと分かる。
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