一瞬の永遠を、きみと




「夏海、大丈夫か?」

「だい……じょうぶ、じゃ……ない……」


すっかり回復した朗とは裏腹に、わたしの体力は減り続ける一方だった。


あとは下り坂をのんびり下って行くだけだ、そう高を括っていたわたしの目の前に現れたのは、再び先の見えない上り坂。

山を侮っていた。

登って下って終わり、そういう単純なものではないのだ。


わたしは死ぬ気でいくつかの坂を上り、そして下り、今に至る。

ようやく山脈を抜け、これから平坦な道に入ろうということろだ。

普段運動なんてしてなかったのに、よくここまで頑張ったと、自分で自分を褒めてあげたいし、むしろ褒められたい。


ただ、わたしは一体何をしているんだ、という気持ちは、今もまだ消えないけれど。

それはまあ、仕方ないと思う。
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