ほら、笑って笑って

悔しくて涙が止まらない



―――――――

――――



「はぁぁぁーー」


携帯を握り締めたまま、公園のベンチに座っている私は、大きな溜息をついた。

今日、彼が休みなのはチェック済みだったから、もしかしたらと淡い期待をしていたのに。


「…だいたい問題って何なのよ?ただ昼間は会えないから?」


ぶつぶつ独り言を言ってみる。


だって、黙っていたら涙が溢れそうだから。


やっぱり私はただの浮気相手なんだって確信して、悔しさと悲しさがごちゃごちゃになって、自分でもよく分からない複雑な心境。


……でも良かったんだよ。

そうだよね?

だって不倫なんて、いつか終わりが来るはずだもの。

早く気が付いただけ、

良かったんだよ……。



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