流華の楔
◇第一幕
密命下る
目の前には、無数の屍。
頬に付いた生暖かいものを袖で拭うと、赤黒い血が衣を染めた。
『助けてくれ』
助けを乞いながら後ずさる者を、容赦なく斬り捨てる。
これが、私の使命。
生きる人形と化した者に残された、唯一の存在意義だった……。
彼らに出会うまでは。
< 1 / 439 >
メニュー
密命下る