数日後。


いつもより眩しい日差しを受け、和早は起床した。




ということは。

必然的に、日が高く昇っているということで。




「……この私が、寝過ごした?」



庭番時代だったら命に関わる、常に完璧を求められてきた自分にあるまじき失態だ。



「あーあ…」



なんだかむしょうに笑えてきた。

自分は気付かないうちにいろいろと変わってきていたのだと。



「寝坊って、いつの時代の失敗ですか……ねえ、沖田さん?」



「あれ? ばれてましたか…さすが和早さん。寝起きでも神経は行き届いてるんですね」


整った顔立ちに似合わずどこか棘ある言葉だったが、和早は静かに笑んで沖田に向き直る。



「ええ、まあ」




さして気配も消していないようだったし、襖の奥に息を潜められていれば嫌でも気づく。




「残念。隙あらば襲おうかと思ってたんですけどね…」


「………」



真顔でそれを言う人を初めて見た。

いや、別の意味であることは重々理解できているが、言い方というものがあるだろう。




「あ、もちろん斬るという意味でね」


「ふふ……知ってますよ。でなきゃ刀片手にここまで来たりしませんからね」




斬る、斬らないのやり取りにしては、二人の間には緊張感というものが欠けていた。







この作品のキーワード
新選組  新撰組  土方歳三  沖田総司  斎藤一  幕末  シリアス  ギャグ 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。