流華の楔
「……?」
大きな足音がこちらに向かってきている。
斎藤と和早はさっと距離を取り、足音の主が現れるのを待った。
「おおっ、いた! 探したぜ…ってなんだ、新崎もいたのか?」
「永倉さんか…」
「俺はそうだと思ってましたけどねー」
「…は?」
永倉は首を傾げる。
「いえ、なんでも」
「それより新八さん、俺を探してたっていうのは…」
あの永倉が走ってくるほどの用事とはどんなものだろうか。
「ああそうだった…実はな…」