美しい花−先生と秘密な関係−【上】
ここからあたしの家までは5分もかからない。



まだ、裸のままでタバコを吸っているトキオに『バイバイ』と言い、ひとりで部屋を出た。




4月の朝方、もう桜も咲こうというのに寒い。



さすがにマフラーをつけていないけど、あってもいいんじゃないかと言うくらいの寒さだ。





家に帰ってからもアザミの仕事は終わらない。



安西さんや新しいお客様に頂いたた名刺の整理をする。


そして、趣味やお酒の好みや話した内容を書き留めておく。




ナンバーワンになるため……


お金を稼ぐために……


あたしは頑張る。




アザミとして。


ナンバーワンとして。






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