隠れ鬼ごっこ
◆ルール
それからどれくらい経ったのだろう。


俺は目を覚ました。


怜「ん………」


ムクリと体を起こす。


頭がまだぼやけている。


(俺、何してたんだっけ…。あっ、そうだ…。
文太が提案した遊びをして、あの手に引きずり込まれて……)


俺は辺りを見渡す。


怜「ここは……何処だ?」


そこは風景こそ同じ学校の校庭だったが、空は赤や紫の現実味のない世界だった。


俺の少し先に倒れている人物が目に入った。


怜「雅明!」


俺は雅明の体を起こして呼び掛けた。


怜「雅明!しっかりしろ、雅明!」


雅「ん……。さ…とし…?」


雅明が目を開けた。


俺は少しほっとする。


怜「良かった。無事だったんだな」


雅「あ…なんとか……。怜は?」


雅明はだいぶ落ち着いた様でいつも通りの声で聞いてきた。


怜「俺も平気だ」


雅「良かった…。……本当にあったんだね…隠れ鬼ごっこ……」


雅明は少し目を伏せて言った。


怜「あぁ……。とにかく、夢じゃねぇのは分かるな…」


雅「うん……。あっ、そういえば、他の皆は?」


怜「まだ探してないけど…多分近くに……あっ、居た!」


また少し先に文太、その先々に昴と拓海も倒れていた。


怜「よし、起こしに行こう!雅明、歩けるか?」


雅「うんっ。大丈夫だよ。ありがとう」


俺と雅明は他の3人を起こしに行った。
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