───夜。


「ちょっと早いけど、もうホテルに入ろう。なんだかヒカリ、今日はホントに疲れてるっぽい」


お泊まりデートのときにいつも使うホテルの駐車場に車を停めた孝明は、そう言ってあたしの頭をクシャッと撫でた。

映画を観て、ペットショップをのぞいて、食事をして・・・・望んだ通りのデートになったはずなのに、あたしはどこかうわの空で。

そんなあたしを気遣って、孝明は早めに休もうと言ってくれた。


「ごめんね・・・・。どうしちゃったんだろ、疲れ溜まってんのかな」

「いいよ、そんなの。ベッドも風呂も広いし、ゆっくり休みな」

「うん」


再びあたしの頭をクシャッと撫でると、孝明は後部座席から荷物を取り出しはじめた。

あたしたちがいつも使うホテルというのは、いわゆるラブホテル。


最初は抵抗があったけど、いざ入ってみると中は清潔で落ち着いていて、普通のホテルと一緒。

妖しい照明や回転ベッドなんかを想像していたあたしは、それとはかけ離れたここのホテルがすっかり気に入って、今では常連。

入るのはココって決めている。
 

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