another story
5.
それからは、頭が全く働かないままに、事が進んだように思う。

警察署に連れていかれ、
事故の詳細を聴かれたり、
警察署には“お母さん”が迎えに来てくれたり。

家に帰っても、心は全く落ち着かなくて、
私はただ腕を押さえ、背中への手の感触と痛みを反芻していた。



誰かが“私”を、
ううん、違う。

“さゆりちゃん”を、
殺そうとした。

そして先輩が身代わりとなって、
命を落とした。

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