ナンパ男との恋 1巻
第九章 視野

「今日は 連れて行ってくれて ありがとう。
すごく楽しかった。」

「こちらこそ 付き合わせてごめんね。
俺、実は 水族館初めてだったんだよね。あはは」

いとこくんなら
しょっちゅうデートで行ってそうなのになぁ・・・

「私も 10年ぶりくらいかも?
ありがとう。」

「いえいえ、今夜
久保先輩に返しとくから。
本当に 会わなくていいの?」

「うん、いいの。
迷惑ばっかりごめんね。」

「全然 それは構わないんだけどさ・・・」


最後まで いとこくんは

久保先輩に会った方がいい。

思ってる事を 全部言ってからでも
遅くはない。

と 言ってくれてたけれど

今の私には
会う勇気すらない。

会うと・・・

きっと
いくら傷ついてもいい、
このまま一緒にいたい。

と思ってしまうだろうから・・


今のままなら・・・

しばらくは
つらいけど、忘れられないけど

いつかは 


前に進める気がするから。





< 118 / 500 >

この作品をシェア

pagetop