地味めな小説家と派手なケータイ小説家
とある飲み会で
8月22日……





まだまだ蒸し暑い夜に、宇賀神友宏(うがじん・ともひろ)は新宿を歩いていた





家を出るのが遅かったから、約束にはだいぶ遅れている

おそらく、もう乾杯は済んでいるだろう



垂れてくる汗を腕で拭う


「あー、ビール飲みてぇ……」



独り言を零して、行き交う人々に目を配る



「こんな密集してたら、余計暑いだろうが……。東京の人間は暑さに強くなったのか?」





そうこう言っている内に、目的の居酒屋が見えて来た
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