不器用男子
なんとか立ち上がって学校は出たものの、もの全部が2重3重に見える。
「ちょっとヤバいかも…。」
完全にダウンしたあたしは、その場で少し休もうと思い、壁にもたれかかった。
「ふーっ。」
それからどれぐらいたっただろうか?
体をゆすられている感覚になって、目を覚ました。
目を開けると、いつもより高い所に視線を感じて前をみると黒髪が揺れてる。
「え…。」
状況を飲み込むとよくわかってきた。
どうやら、木下君におんぶされているみたい。
って…木下君!?
「あんなところで1人危ないだろ…。」
木下君がため息をついてる。
「ごめんなさっ…」
顔色をうかがおうとしたら、すごい汗。
あっ…私重いかな…!?
「おっ、重いよね…!? いいよ! おろして!!」
「軽すぎ…お前熱い。」
お前…お前…お前…
木下君にお前って言われたのがうれしすぎてグタッっとなった。
「うわっ、大丈夫か?」
木下君に心配されてる。