不器用男子
 

 でも、こんなのが幸せだな…。




 おじさんがまだ帰ってこないので、適当にメニューを決めて夕飯も作った。




「あれ…? なんか今日気合入ってない?」


 凌君に言われた。


「そっ、そうかな?」

 うん。 改めて自分の作った料理をみると…たしかに、いつもより豪華。



 なぜかバイキング式になってるし?



「まぁ、豪華だし、おいしそうだしいいや!!」


 にっこり笑って料理を取りに行った凌君。




 私も料理を取りに行って座って食べ始めると隣に凌君がやってきた。


「山田警察で当分預かるってさ!! 大丈夫だった? 怖かったよね?」


 凌君に心配され図星をさされなぜか涙が出てきた。


「えっ!? ひなみちゃん!? 俺なんか嫌なこと言った?」

 懸命に首は振ったけど、一向に涙が止まらない。


「大丈夫だよ? もう山田いないし、ほかにそんなことする奴いないから…ね?」


 ポンポンっと頭を軽くなでられやっと落ち着いてきた。


 
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