不器用男子
 
 凌君がそんなに有名だったなんて…。


 たしかに改めて見ると世間でいうイケメンの分類にばっちり入る人だと思う。


 サラサラの茶色い髪の毛にニコニコ笑う顔には二重の大きな目とえくぼができる。



 …かっこいい人なんだ…。


「なんの話してたのー?」

 え!!

 優里、祐武!! 言わないでねー?

「えっとぉー、ひなみの好きな人のことについてです♪」

 優里ーーーー!!


「ふーん…。」


 意外にも返ってきた言葉はそっけなかった。


 それだけ言うと凌君は部屋から出て行った。


 どうしたんだろ?


「はぁ…。山崎先輩はいつ見てもかっこいい―!! 同じ屋根の下で過ごしてるなんてファンに知られたらタダでは済まないと思うわよ? …木下もね?」


 え…。


 怖いしー。


 秘密にしなきゃ。


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