不器用男子
第三章

不安

「おめでとー♪」
「おめでと」


 昨日あったことを2人に話した。

 2人とも祝福してくれて嬉しかった。


「…でもさ…ひなみ気付いてないみたいだけど…木下結構モテてるし、気をつけたほうがいいよ?」

「そうだな。 見つかるまでは秘密のほうがいいかもしれない。」


 さっきまでの2人とは別人のように真剣な顔で話しだす。


「千隼がモテてるってことは前から知ってるけど、秘密にはするよ。」


 そういうと2人はまた笑いだした。








「千隼ー、あのさ…私たち付き合ってること秘密にしてもいい?」

「…別にいいけど? なんで?」

 千隼が私の部屋に来て本を読んでいるときに話してみた。


「千隼モテるでしょ? だからファンをガッカリさせちゃうといけないし…」

「俺のファンなんかどうでもいいけど…まぁ、秘密のほうがいい…」


 そのあと千隼はぼそぼそと独り言を言ってたみたいだけど聞こえなかった。

 千隼は私との関係を知られたくないよね…可愛くもない人との…。


 そう考えると、千隼が私を遊んでいるのか不安になってきた。

 たいしてモテるわけでもなく、可愛いわけでもなく、性格もいいわけではないのに、千隼と付き合えるっていうのがおかしい。


 そんな気がしてたまらない。


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