CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
第1章 Family

1. Parents

 


俺の親父は、韓国はソウル市内で音楽プロデューサーとして新人育成をしながら、会社経営もしている。

日本にも、親父の育てたミュージシャンが来日したり、日本デビューをしたりしている。



日本にも、親父の経営しているスタジオや、タレント事務所もある。



って聞いてたら、メチャクチャ凄い遣り手の社長さんに思えるけど……


若い頃にはバンド組んでメジャーデビューしたまでは良いが、最初のシングルが大ヒットした後は


鳴かず 飛ばず


俗に言う゛一発屋゛

知人の勧めもあって、音楽プロデューサーに転向!


元々音楽センスは良かったみたいで、今では、韓国でも1、2を争う敏腕プロデューサーらしい。



って言うのも、親父は日本と韓国を行ったり来たりと忙しくしているみたいで、ほとんど家にいないのだから、お袋からそう聞かされているだけなのだ。



まっ、確かに裕福な生活をさせて貰ってるから、別に良いんだけどね!




小さい頃から、親父が韓国から戻ってきたら、お土産ダゾ!って言って、ギターやベース、キーボードなんかを買ってくれた。


……けど……


これって日本にも売ってるし……


俺的には、海外アーティストのサイン入りの私物の方が有難いんだけどなぁー。


ネットオークションに流せば、良い小使い稼ぎにもなる。



それから親父は、俺にはメチャクチャあまい。

あまり怒られた記憶が無い。


まぁほとんど家にいないって言うのも有るけど、長男として真面目に過ごしてきたのだから、当然である。



酒飲んで、タバコ吸って、夜遊びしている奴等からしてみれば、高校卒業まで勉強と音楽に打ち込んでいた俺は、優等生以外の何者でもないわけだ!


特に、音楽の成績が良かったので、親父は真剣に俺を音大に入れたかったようだった。


でも、俺は教師に成りたかったのでT大学の教育学部に進んだのである。




…………





 
< 1 / 300 >

この作品をシェア

pagetop