教育実習日誌〜先生と生徒の間〜
一週目・実習二日目

実習生の戸惑い


【菫の実習日誌】


「出席を取ります。青山君……」


緊張しながら、今日からは私が出席を取る。


明日からは、SHR丸ごと任せられちゃうらしい。


先生の閻魔帳にふりがなをつけさせてもらって、とりあえず間違えずに呼べた。


昨日の休み時間と掃除の時間、一緒だった生徒は大抵覚えた。


今、こうして出席を取りながら、顔と名前を一致させようと頑張っているところ。


先生は後ろで見守ってくれている。


先生が指導教諭で私は恵まれているってつくづくそう思った。


昨日、裕香はさっそく指導教諭の岡崎先生からきつく当たられたみたい。


何でも『せいぜい足手まといにならないように、無駄なことはしないでちょうだい』と言われたとか。


……そんな事言われたって、正直困るよね。


だって、教育実習自体が、学校現場にとっては足手まといなんだもの。


高校は大抵、音楽の先生は1人しかいないから、どうしようもないって先生が言ってたっけ。


でも、裕香がちょっと心配だよ……。


< 42 / 290 >

この作品をシェア

pagetop