恋の相手はメイド君!?

懸賞品

お互い服を着て(あたしは着てたけど)、リビングにいる。



でも、何か可笑しい。


非常に可笑しい。


だって、彼、安藤千尋(アンドウ・チヒロ)は、あたしの家のキッチンに立ち朝食を作っている真っ最中なのだ。



彼の持ち物からフリフリのエプロンを出して、180センチをこえる彼が身につけている姿は、物凄く可笑しい。



「欄さん、朝は和食?洋食?」


「あ〜…、洋食派ぁかな」

「了解」



何、和んでいるんだあたしは。


ソファーに座って、煙草なんて吸って朝食が出来るのを待っているのって、普通男がやることじゃないの?


でも、あたしはそれをしている。



昨日まで、煙草は止めていた。


彼が嫌いだったから。


でも、それももう意味がない。


彼とは別れてしまったんだから、煙草を吸おうが構わない。



「はい、出来ました!」


コトンとテーブルに置かれたのは、ピザトーストに目玉焼きと、温サラダ。



良い匂いのそれに、あたしのお腹がグゥーと鳴った。

「クス。どうぞ、めしあがれ」


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