マスク・ドール

顔剥ぎ事件

「顔剥ぎ事件?」

マカはソウマの店で、祖父こと血族の長からの電話を受けていた。

「…ああ。だがそれとはまた別件だろう。いや、確証はないが…」

店の奥の事務部屋で一人、アンティークの電話で話をする。

他のモノは店内に出ている。

祖父からの電話内容は、マカの表情を曇らせていた。

「思い付くのもあることはある。…だが、向こうもそんな大きな動きは…」

低く呟くような声で話は続けられた。

やがて20分間の電話は終了し、マカは険しい顔のまま店内に出た。

「あっ、マカ。何でした? 当主からの緊急連絡は」

たまたまソウマの店に来ていたマカだが、祖父が緊急とのことで電話をかけてきたのだ。

「ああ…。ソウマ、悪いがちょっと人を呼ぶぞ」

「構いませんが…」

険しい顔をしているマカはケータイ電話を取り出し、協力者を店に呼び出した。
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