マスク・ドール

黒幕

「アララ、破壊されてしまったか」

屋敷を見下ろす山の上から、リリスが一部始終を見ていた。

マカ達が来ることを予想し、一足先に逃げ出していた。

あの屋敷を『マスク・ドール』に任せ、四人相手にどのぐらいまで戦えるか見物していたのだ。

「さすがマカ先輩、わたしのお人形を傷付けることができるなんて…」

「だからと言って、ボクのマカを狙っちゃぁ困るなぁ」

リリスのすぐ後ろに、マノンが現われた。

「アラ、はじめましてね。マノン先輩?」

「同じ学校にも通っていない上に、年上にそう呼ばれるとムカつくからやめてくんない? それと―」

マノンは黒き影を大きく動かし、リリスを威嚇した。

「マカには手を出すなよ? アレはボクの獲物だ」

「ちょっと難しい相談ね。わたしも彼女が狙いで、日本に来たようなものだし」

そう言ってクスクス楽しそうに笑う。
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