…そんなことも、あったっけ。



ふと思い出した遠い過去を瞼に映し出しながら、私はクスリと笑みを漏らす。



男子の一言を忘れ、慎治の一言に感動した私は、この時から慎治のことを好きだったのかもしれない。



私は無意識のうちにシロツメグサを摘み取り、結婚の“け”の文字でさえ分かっていなかった慎治の小さなプロポーズを思い出していた



…結婚。

できるものなら、したかった。


慎治と一緒に高校を卒業して、大人になって。


些細なことでケンカして、また仲直りして。



――願わくば、慎治と一緒に人生を歩みたかったんだ。