Little Princess


いつものように家に帰り、いつものようにテレビをつける。


いつものように手を軽く洗い、いつものようにテレビで適当に時間を潰した。




…なんか、落ち着かない。



美奈の泣きそうな別れ際の声色が、俺の耳に鮮やかに生きる。



美奈はいつも通りを装ったようだけど、美奈の声は明らか震えていた。


そして、その震える声を聞いて、俺の耳も何かを警告しているように震えたのを覚えている。




…やっぱり、何か聞いてあげればよかったのかもしれない。


昔から、美奈は1人で我慢することが多いから。



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