エージェント
Ⅵ 敵陣






季節は夏。

制服も夏服。

髪の毛が邪魔で、お団子結びしている。



「あっつい」


冷房完備の生徒会室ですら、この夏の暑さには耐えきれない。

そんな夏のある日。




「あ、そういや、いい加減コウキちゃんを家に連れてこいって、親父が煩くなってきた」



なんて、爆弾発言する人、一名…。




そんなこと言うのは、もちろん朔羅しかいない。




「サクの親父さん、まだ言ってたの?」

「ずっと言ってる」

「それもうだいぶ前の話じゃない?」

「4月くらいじゃね?」

「お前もよく今思い出したもんだな」

「ふと思い出したんだよ」



3人からの質問を軽くあしらう朔羅。



「え、行かなきゃいけないの?」

「コウキちゃんに拒否権なんてないよ」



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