君の影をみてる〜幼なじみの恋〜

公認の仲

冬が近づき、日が短くなっていく。

私は、恭一と
お互いの練習がある日は一緒に帰り、
バスケがない日はさっさと帰ることを、約束させられていた。

そして楽しみなのが、
陸上部の練習が無い日…
バスケが終わる頃に、
私を待つ、恭一の姿を見ることだった。

わざわざ、迎えに戻って来てくれてまで、
一緒に帰る私たちは

いつしか、公認の仲となっていった。

時には、矢部らと大勢だったり、隆志と3人だったり…。

たまに、恭一が間に合わないと、隆志と二人になってしまうが、

夏の約束を守ってくれる隆志は、
離れて後ろを歩いてくれていた。


「お前ら何してんの?」

遅れて来た恭一が、後ろから不思議そうに尋ねる。

「おおっす」

「何…喧嘩?」

「違うよ。」

「?」

「別々に帰ってるだけだよ」

「えへへ、なんで?」

「みっこが、お前に気を遣ってんじゃね?」

「違うって!あたし自身の為にしてるんだよ。」

「…何?」

「隆志を好きな娘から、恨まれたくないも〜ん。」

「だから、ナイって。どんだけおまえ等ふたり、有名だと思ってんだよ」

「そう言うことかぁ。隆志ちゃんモテるんだ?」

「てめ、ふざけんな!」

「照れんなって。」

「でも好きな人には、片思いなんでしょ…」

「もうイイよ、その話は。恭一、あとは任せた!じゃあな」

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