“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】

side 凌






「あのさ。
いい加減にしてくんない?」



本のページをめくる音しか聞こえない静かな図書館。



その静寂が迷惑な大声と、オレの机の前にバン!と大きな音をたててつかれた手とによって、遮られる。



何事かとこちらを見る人の気配。



当然隣に座る佐藤さんも、オレの机の反対側に立つ人物を何事かと見上げている。



にもかかわらず、オレは動揺にも近いささめきの中、平然と調べ物を続けた。

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