愛しいわがまま。

急いで動き始めた私。


歯を磨いて顔を洗って。



愛那に選んでもらったワンピースに身を包む。

パンをかじりながら髪を巻く。

愛那に伝授されたメイクは丁寧に。






「…やればできんじゃん私」



寝坊したと思ったけど
これなら時間にも余裕だ。


……うん。昔から、10分前に起きてもなんでか学校間に合っちゃうタイプだったかも。





部屋の鏡に映るのは
めかし込んだ自分の姿。



張り切りすぎ?


こんなに女の子らしいナチュラルメイクは初めてしたし。

こんなゆる巻きもワンピースもなかなか着ない。




ニーハイのブーツに足を通して立ち上がる。



……遥、驚くかな。


スカート短すぎ?



いつもみたいに柔らかく笑って、可愛いって言ってほしい。




「……よし。
いってきまーす」



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